政策を着実に実行する年!
景気は雰囲気から実感へ 外交は存在感回復へ (2014.01.01)

与党は多数のみに頼らず      
     野党は選挙の敗北の自覚を

政権復帰後の自公政権は、着実に前進しているように思えます。昨夏の参議院選挙では、自公両党で安定多数を確保し、衆参ねじれ解消に成功しました。デフレ脱却の経済政策も徐々に効果を表し、株価や失業率も改善。外交においても、アセアン、中東、アフリカ諸国との間で、日本外交の存在感は増してきています。

しかし、難問もまだ多く残っています。景気回復を実感できる状態に進めるための実効ある予算編成、経済政策。長寿少子化の下で、財政再建を緒につけること。貿易収支赤字を克服できる産業構造への転換。福島原発 事故の迅速な処理。生活と産業を支える現実的なエネルギー政策への転換。対中韓外交や日露間の領土問題等を前提に、同盟国である米国との相互信頼の進展等々です。

これ等を、現在、将来に向け解決するには、政府与党の力だけでは無理です。何より国民の理解を得なければなりません。その為には、国民より主権を預っている与野党双方の謙虚な姿勢が望まれます。与党には、多数決のみに頼らぬ謙虚さが、野党には、選挙を通じ主張が国民に受入れられなかったことを自覚する謙虚さ。国民の為、政治は一つの結論(政策)を出す義務を再確認す る年にしたいものです。

実感できる景気の回復

政権交代から一年、経済の雰囲気は様変りです。雰囲気が元気を呼び、元気が出ると景気が良くなります。一方で、地方、中小企業、一般家庭にまで、景気回復の実感は及んでいません。

日本銀行が円供給を増した結果、かつての一ドル八十円前後が百円まで安くなりました。その結果、輸出は大きく伸び、現在の景気は自動車等の輸出牽引型です。増発された円を民間企業が設備投資に使ってくれれば万々歳。まだ、その活力も意欲も不充分なのです。

今後の課題は、新産業もとや技術等の設備投資の素を育てる研究開発。それを補う財政の機動的出動。消費拡大のための賃金引上げの三つです。真価が問われる年です。

財政機能の回復

増発された円が設備投資で吸収できるまで、国や自治体が注文主となって、需要を創り出さねばなりません。研究開発助成、災害や都市再生の公共事業等々。例えば、国際会議場の増改築です。

自公民三党は、一昨年に消費税5%引上げの税 収を全額社会保障に投入することで合意しました。赤字国債で賄っていた年金、医療、介護への助成が消費税収で肩替り。赤字国債が減る分、景気対策に充てる建設国債が発行可能となるのです。

一方、毎年度予算の分近くを国債に頼り、利払い等が予算の四分の一という状況は、脱却せねば財政は身動きがとれません。無駄を省き、我慢をする一方で、景気回復による税収確保が財政機能回復の処方箋です。

外交交渉力の回復

失なわれた二十年の経済力低下は、日本の外交力を弱体化させました。それ以上に、民主党政権の外交処理能力の拙劣さは致命的でした。普天間処理の迷走、尖閣での中国漁 船事件の弱腰等々。

日本は調和と絆、米国は競争と法律万能と文化の違いがあります。しかし、安全保障や経済関係を考えると、米国は自とする最重要の同盟国。「最低でも県外」発言は、日本外交の背骨を揺がせたのです。

このことが東アジアの日本外交の弱点となり、中国、北朝鮮への抑止力が効かず、安全保障や経済・金融で不可分の韓国をゆれさせてしまったと言えます。国際間の秩序は、条約・国際法の遵守が原点。そのうえで、謙虚さを失なわぬ姿勢です。

決められる政治の回復

内政・外交を迅速・適確に処理し、国民生活の 安心・安全を護るのが政治の役割。衆参ねじれの下の自公政権、その後の民主党政権下で、日本政治の意思決定は混乱し、決められない政治と批判を受けました。

参議院選挙の勝利で、自公政権はねじれを解消しました。しかし、ねじれの為に政治が機能しないのではありません。ねじれのなかった民主党政権でも政治は機能していません。政権担当能力と良識が鍵を握るのです。

価値観、公平感が違えば、政策への評価も違います。しかし結論(政策・ 制度)は一つしかありません。主張はしっかり持ちつつも、異なる意見も聞き、妥協を図る与野党の良識と能力が、議会制 民主主義の要諦でしょう。

京都の存在感の回復

通貨増発を民間設備投資で吸収できるまでの間は、国や自治体が需要の出し手になる必要があります。地元京都にも必要な事業は山積。京都の都 市機能充実のチャンス。

国への予算要望が、全国民の理解を得るには、日本にとっての京都の価値を正しく理解し、訴えねばなりません。経済地盤の沈化を防ぐ、住みよい街に、観光客増加等は結果であって、国際化のなかで、護るべき日本人の生き方、心根の集積地が京都であることへの自覚と誇りを持つことです。

良きものを護り、新しいものを加えつつ、国家は進歩発展します。良きものを破壊し、新しいものを無防備に吸収している東京の対極に京都を置く気概で、府政、市政に当ってほしいと思います。

伊吹文明 顔写真

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