国会レポート

NO.199  公約・マニュフェストを検証しよう(政権担当能力とは)

色なきが緑に染る皐月かぜ。連休も終り、忙しい毎日が戻ってきました。お元気ですか。

衆議院の任期は九月、それまでに総選挙があります。西松建設の献金事件等の敵失で内閣支持率は稍々持ち直しましたが、福田前総理の退陣表明時の内閣支持率は40%程度、自民と民主の政党支持率の差が10%あったことを思うと、敵失より自民党がクリーンヒットを飛ばさねばならないでしょう。

そのキーワードは政権担当能力を競うということ。与党・自公と野党・民主や共産は、国民の日常生活を護っていく実行可能な政策を競わねばなりません。「第七艦隊以外の米軍駐留が不要」なら、国際情勢のなかで日本の安全保障をどうするのか具体案を民主党は示すべきです。「保険料なしの年金、子供手当、農家への戸別補償等15兆円の政策を税制改正なしに行う」との参議院選挙の民主党の公約の財源は何でしょう。実行できたのでしょうか。

選挙公約、マニュフェストは、選挙に勝ち、政府を預って初めて実行できたかが検証されます。民主党が勝った参議院選挙は、憲法上は政権選択の選挙でないため、民主党の公約の実行可能性は、実は一度も検証されていません。負担を隠し、サービスを並べる選挙公約は、耳障りは良くとも、それで現実の政策や政治には対応できないでしょう。不況を切り抜け、景気回復後に税制改正により少子長寿社会に取組む姿勢こそが、政権担当能力の証ではないでしょうか。お元気で。

2009年5月15日 於議員会館

伊吹文明

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