国会レポート

NO.155 年金保険料未払いに思うこと

雨音の天から響くぶなの森。雨の多い季節になりましたが、お元気ですか。

年金改革法の国会審議に際し、法案の提出者である政府の大臣や審議に当たる国会議員にも、国民年金保険料未払いが発覚し、世論の批判が集中。選ばれた者の義務違反は恥しいことですが、事情は各々違うため、身の処し方は各々の見識で決めるべきで、その姿を有権者がしっかり判断するでしょう

さて、私自身のことです。昭和五七年に大蔵省を退官した時点で、共済退職年金受給権が発生したので、国民年金法第七条により、国民年金への加入義務はなくなりました。国民年金加入と保険料支払い義務が生じないということです。ただ、その後も厚生年金に加入し、兼業が禁止されていた政務次官在任中も任意で国民年金に加入していました。が、私が制度に精通していたので義務違反が無かったというより、隅々の結果でした。

複雑な年金制度には、運用や制度両面で改めねばならぬ点が多いのは、国会レポートでお伝えしているとおり。未納者探しや党利党略的発言で、年金制度の本質論より、未納防止だけに議論が流れるのは残念です。「疑惑のデパート」、「未納三兄弟」と相手を批判した結果が、自分自身「疑惑の共同体」、「未納四兄弟」になるのでは、政治家の人品が疑われます。他人への寛容さ、自己への厳しさを持つのは、政治家以前の人間としての素養と自戒しています。ご自愛下さい。

2004年5月14日 於議員会館

伊吹文明

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