国会レポート

NO.172野党は不満を煽らず現実的対策を(医療改革法案)

旬に詠めば白さ薄れる沙羅双樹。不順な天気が不順な天気が続きますが、お元気ですか。

医療改革法案は現在参議院で審議中です。この法律の狙いは、世界に誇るべき皆保険制度を護ることで、長寿社会で医療給付を受ける長寿世代と費用を負担する現役世代の負担の公平を目指すことが骨子になっています。その結果、現役並みの収入のある長寿世代を中心に負担が増えますので、批判や不満も多くあります。だが、放っておけば、老人保険制度が崩壊し、元も子もありません。

  1. 法案の骨子は、七十〜七十四歳の通院窓口負担は、上限付で一割から二割に
  2. 七十歳以上で現役並み収入のある人の窓口負担は現役並みの三割に
  3. 七十歳以上の長期入院患者の食費、居住費は、老人ホーム等とのバランスもあり、約五万円強まで自己負担に
  4. 七十五歳以上の人には、月平均六千円の保険料で高齢者医療制度を新設し、自己負担は一割とする

等となっています。

日本の医療費は約三十二兆円。七十歳以上の医療費は年五%程伸び、約十三兆円。横ばいの七十歳以下は約十九兆円。これ等は十六兆円の保険料、十一兆円の国と地方の税金の補助、五兆円の自己負担で賄われており、現役世代の負担の重さが分ります

放置しては、平等に医療を受けられる皆保険制度は危機に陥ります。不満や批判だけでは解決になりません。負担と給付につき実現可能な仕組の議論の時です。ご自愛下さい。

2006年5月26日 於議員会館

伊吹文明

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