音もせで我れ包みくる秋雨かな。天候も政局も不順な昨今です。お元気ですか。
九月末の福田総裁の誕生を受け、党幹事長の指名を受けました。総理大臣として、内閣・行政の仕事に忙しい総裁に替り党を預かる幹事長は、国元の城代家老役で、藩政の隆昌に努めねばなりません。先輩の幹事長も、厳しい選挙戦を勝ちぬき、友党との連立を導き、野党と話し合い、多くの政策の実現を果たす等、幾多の難局を処理されてきました。
しかし、私のおかれている条件、環境は少々違います。七月の参議院選挙の惨敗で、自民党は参議院の第二党、連立会派の議席は過半数を大きく割り込み、自民党史上初めての異常事態での幹事長です。与党が衆参両院で過半数が当り前−の感覚が野党にもあり、野党の国政への責任感が薄いのは残念なこと。与党幹事長として私の最大の責務は、この異常事態でも国民に迷惑をかけぬことに盡きます。
憲法は二院制を定め、総理指名、予算と条約の議決と承認以外は、衆参両院の権限は同等です。民主党の小沢代表は、衆議院での多数を梃子に、テロ特措法等についての与党との話合いを拒否し、解散・総選挙に追込むことに、「政治生命をかける」とか。衆議院で多数を得なければ政権には就けませんが、与党が「政治生命をかける」のは、党利党略の政局や権力ではなく、異常時においても混乱を避け、国民生活を護るためです。民主党の良識に期待します。ご自愛下さい。
2007年10月19日 於議員会館