国会レポート

NO.183 ここが与党の踏んばりどころ(安倍総理辞意)

客まばら二百十日の赤ぢょうちん。暑い夏も終り、朝夕涼しい毎日です。お元気ですか。

昨日、安倍総理が突然辞意表明。参議院選挙の惨敗を乗り越えての続投、内閣改造、そして所信表明演説を終えてのこの時期の辞意表明は、総理大臣の職責の重さを考えると、仲々納得はえられないと思います。安倍保障の根幹たる日米関係と国連決議を考慮して行なわれている、インド洋上の給油活動の根拠法・テロ特措法の継続が難しい政治状況が精神的重圧になったのでしょう。

参議院選挙の惨敗、総理の辞意表明と政局は危険水域。国民のためにも、次の内閣成立まで、安倍ないかくは毅然として職務を全うせねばなりません。政治空白を最小限に抑え、参議院選挙惨敗の教訓を生かす時でしょう。

自公の与党は衆議院で多数を占め、依然政権を預かっています。政権を担当する限り、財源の裏付けのない、耳障りの良い空手形は振り出せません。臨時国会の焦点になるであろうテロ特措法の扱いについても、日本の安全が日米安保条約で護られている現実を忘れ、日本の都合だけを主張することはできません。国民の耳に逆らっても、国の安全と国民の生活を護るのが政府の役割なのです。

新内閣が発足しても、衆参のねじれは、多くの政治混乱を生ずるでしょう。与野党同じような政策以前の失敗も、報道で一方的に批判されるのは、与党の名誉ある宿命と覚悟し、ここが踏んばりどころです。ご自愛を

2007年9月13日 於議員会館

伊吹文明

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