国会レポート

NO.212  自民党の取るべき政局対応(民主党代表選を観て)

法師蝉いずこ我が庭へ。猛暑も納まり、朝夕秋めいてきました。お元気ですか。

円高株安不況をよそに行われた民主党代表選も終了。金銭問題を抱え、検察審査会を控えている小沢氏の立候補は無理筋で、他の人なら結果はどうだったでしょうか。むしろ、二百人の国会議員が小沢氏を支持する民主党に、国民意識との乖離を感じました。

菅・小沢両氏の主張のなかに、民主党の権力(衆議院の多数)の正当性の矛盾が現れています。小沢氏の「マニフェストは譲らねばならぬ」との主張は正論です。が、財源のないバラマキ公約を譲れば、日本の財政・経済は大混乱。菅氏の「消費税検討やマニフェスト見直し」は、政策としては正しくとも、それを許せば、国民の投票は票の振り込め詐欺にあったことになり、選挙は意味がなくなります

この矛盾解消の唯一の方法は、衆議院の解散・総選挙です。その時には、民主党も財源を含め実行可能な、嘘のない公約を掲げることです。政権交代で、政府を預かる難しさー多様な意見や立場の調整、現実を混乱させず、一歩づつ目的に近づく忍耐の必要性も少しは経験し、分ったでしょうから。

自民党がなすべきは、新網領に沿った政策と国家像を、一致結束して愚直に訴え、国民の信頼を取り戻すことです。間違っても、「国民生活を混乱させない」との美名の下に、権力に戻るための安易な妥協の対応、振り込め詐欺の片棒かつぎをせぬことです。お元気で。

2010年10月8日 於議員会館

伊吹文明

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