京にては露地の奥にも紅葉かな。漸く秋らしくなってきました。お元気ですか。
安保法案が成立しました。集団的自衛権行使に慎重であった政策転換なので、限定的で あっても、賛否が二分するのは当然。西側にとって、日本の戦略的、経済的価値の高かった東西冷戦時代には、 日米安保条約と米国の核に日本の安全保障を委ねても、米国はその役割を果しました。 しかし現在は、イスラム、中国、ロシア等が台頭する文明衝突時代。 平和と安全を護る法案か、戦争に巻き込まれる法案か、政党や一人ひとりの立場や考え方で判断が違ってくるのは当然です。
が、意見を集約し、結論を出さねば現実には対処できません。 「民意」、「国民の声」とは何でしょう。憲法は国家主権は国民にある─との前提で、国の意思決定の仕組(統治)を定めています。 国民の意思表明手段は、公約(自民党は安保法制の整備を公約)に基づく選挙、分けても衆議院選挙での投票です。 世論調査、メディアの主張、デモも「民意」の重要な判断材料ですが、負託した主権行使が 「民意」に反すれば、次の選挙で投票を得られず、政権を失うのが民主主義のルールなのです。
将来最高裁が違憲、合憲の判断を出せば、判断と違う投票をした政党や議員には重い責任が生じます。 責任感、使命感、説明をする謙虚な姿勢、日々の活動ぶりから醸成される政治への敬意や信頼が無いと、 憲法以外の「民意」が荒ぶるのではと思います。お元気で。
2015年10月2日 於議員会館