国会レポート

NO.240  政党の生命は理念を示す綱領(民維合流に思う)

早桜一枝添えて京の膳。各地から桜の開花の便りも聞こえます。お元気でしょうか。

民主党と維新の党が合流するとか。新党名は、何故か公募最多数の民主党にはならない ようです。衆議院は一名当選の小選挙区制中心、参議院も地方区の多くが、三年に一度一名を選ぶ選挙制度。この制度では、 民維合流にとどまらず、共産党すら巻込んだ候補者調整に行き着くのは、国会対策や選挙対応からは予想される戦術ではあります。

しかし、この永田町の論理が国民に分り難いのは、政策を判断する物差し(理念)の違う政党の合流、 選挙互助だからです。政治が処理せねばならぬ現実は多様多面で、これに対応する政策の取捨選択には一貫した理念が必要なのです。 そのうえで、異なる理念の政党とも協議、妥協し、国民の為の唯一の結論を出していく度量が望まれます。 「自民党への対抗」、「安保法制廃止」等の抽象的、一点集中的スローガンで現実は処理できないのです。

東西冷戦時代には、自由主義と民主制対共産社会主義と独裁制という明確な対立軸がありました。 現在は自由主義と民主制の下で、その避けえぬ欠陥の是正を、公的介入に頼るリベラルか、 当事者の倫理観や社会の伝統的規範に期待する保守かでしょうか。

新政党には、その理念を表す綱領を自民党への対立軸として、 国民に公表してほしいと思います。選挙目的で身を寄せるのではなく、実現可能な政策を期待しています。お元気で。

2016年3月25日 於議員会館

伊吹文明

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