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国会レポート
NO.161歴史的都市の大切さと市民の義務
黒き目に金の涙や櫻鯛。櫻開花の便りもあるのに、余寒なお厳しい毎日。日本列島は景気同様にまだら模様。お元気ですか。
予算案が衆議院を通り、現在、｢歴史的都市維持・再生｣の理解と仕組み構築に取組んでいます。日本の良き伝統、文化、慣習、宗教性は、社会秩序や安心の根幹。それらは祖先の悠久の営みの集積。京都などの歴史的都市は、これ等の育ての母でもあります。
現実をみると、技術進歩と経済発展の避けえぬ副作用として、流入する異文化との衝突、利益・効率だけの誤った市場経済化の波が、日本の文化や社会秩序を崩壊させています。マスコミを賑わす政財界や家庭内の不幸な出来ごとは、その表れでもあります。
市場経済をうまく使いこなし、国民の豊かな生活を護るためには、良き伝統、社会秩序の育ての母たる歴史的都市の維持・再生は国民的課題。この作業を成功させる大切な前提は、歴史的都市住民の謙虚さと努力でしょう。
歴史的都市の住民は、祖先と歴史が造りあげた都市に、幸運にも生れ、住んでいるにすぎません。歴史的遺産、街並みを護るため、日々不便を忍び、財産価値の低下に耐えている姿を示してこそ、歴史的都市より遥かに経済的に劣悪な地方都市納税者も、国家戦略としての｢歴史的都市の維持・再生｣を支持するのです。景観を破壊し、経済価値を追及しつつ、歴史的都市故の特別扱いを要求しても理解は難しいでしょう。ご自愛を。
2005年3月17日 於議員会館
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