国会レポート

NO.175安倍内閣発足(文部科学大臣に就任して)

白銀の薄芒を分けて進む風。秋めいてきましたが、お変わりなくお元気でしょうか。

新しく安部内閣が発足し、文部科学大臣をお引き受けしました。その際には、多くのご祝意をいただき、有難うございました。三度目となりますので、入閣そのものには特段の感慨はありませんが、安部総理が最優先の政策課題とする教育改革を担当しますので、責任の重さを感じます。教育、芸術文化、スポーツ、科学技術振興から北朝鮮の核実験の検証まで守備範囲も広く、多忙な毎日です。

国と地方自治体で、教育に使っている国民の血税は二十兆円。うち義務教育の負担は十兆円です。教育の成果、社会の現状からみて、納税者の期待に応えているとはいえないでしょう。日本人として生きていく最低限の基礎学力、ルールを護る心構え、規範が身についていない子供と大人が多いとの批判です。

国は領土と国民、そして国民の日々の営みから成り立っています。経済活動、人とのかかわり、社会や自然とのかかわり、政治等。そのなかから国柄ができ、時代を超えて集積されたものが、その国の伝統であり文化。その国特有の暗黙の約束ごとである社会規範は、法律による締り以上に社会の秩序維持に大切なもので、保守主義の根幹です。

日本社会と経済を建てなおす、自由競争重視の改革の副作用を抑えるため、人間力回復の教育改革を重視する安部総理の時代認識に共感し、協力する決意です。ご自愛下さい。

2006年10月27日 於議員会館

伊吹文明

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