かけ蕎麦の湯気温き年の暮れ。混乱の一年、皆さまには誠に申訳ない思いです。志なく就く総理の地位か、庶民がささやかにすするかけ蕎麦の温かさか−幸せとは何かを考えさせる昨今です。
国を預る素養の未熟さ、政策の一貫性のなさ、権力行使への怖れと謙虚さのなさ。民主党政権に「こんなはずじゃ」と思っておられる方も多いと存じます。地方の駅や新幹線で声をかけられることの多い昨今です。「伊吹さんでしょう。しっかりして下さいよ自民党、日本がどうなるのか心配で、心配で」と。
自民党への激励のつもりのご発言が、このような政権を許してしまった自民党の不甲斐なさへの叱責に聞こえてなりません。自民党は保守理念を掲げた新綱領の下、一致協力して、来年は解散総選挙により、国民のために政治の転換を図らねばなりません。
野党の気楽さで、選挙の勝利だけを目的に、言い散らかした実現不可能なマニフェスト、非現実的批判、有権者の意を迎える場当り発言が、与党となった民主党をブーメランのように苦しめています。何故なのか。政党としての一貫した政治理念を欠くからです。新左翼、旧社会党、市民運動家、自民党の離党者、政治理念の共有なく政治を変える目的で出来た新党の出身者の混合政党では、統一的政治理念を表す政党の憲法、「綱領」を持ちえないのは、残念な事実、当然のことです。
おそろいで良いお年をお迎え下さい。
2010年12月17日 於議員会館